十脚目通信

オカヤドカリ飼育に関するFAQ

オカヤドカリはオカヤドカリの飼い方で。犬や猫と同じ様に扱っては絶対にダメです。

ネットを中心に、オカヤドカリ飼育の安易さ・手軽さのみを強調した飼育情報が氾濫しているため、初めてオカヤドカリを飼育する方が大変迷惑しているようです。またオカヤドカリ自体も甚大な被害を被っています。今後もこの被害が増え続けることが予想されるため、それを未然に防ぐ目的でオカヤドカリ飼育に関するFAQを作りました。
尚、このFAQで指すオカヤドカリとは、通常の手順で手に入る種類(オカヤドカリムラサキオカヤドカリナキキオカヤドカリ)だけのことを指します。他の種類については飼育方法も全く違いますので、ご注意ください。

※ 一般常識については「オカヤドカリ飼育に関し、判明している事実」を、ネット上に飼育情報が氾濫していて迷っている方は「オカヤドカリのトンデモ飼育法」をご参照ください。

※ ヤドカリ・オカヤドカリに関する蘊蓄はDecapediaをご覧ください。

オカヤドカリ飼育に関するFAQ

Q. オカヤドカリはあまり動かないと聞きました。飼育ケースは小くても大丈夫?
あなたの見ていないところでは、オカヤドカリはとてもよく動き回りますが、個体が大きくなければ飼育ケースは大きくなくても問題ありません。私も底面37センチ×27センチの小さな容器で、甲長2.5センチほどのオカヤドカリを数年飼っていたことがあります。
但し、オカヤドカリは脱皮を繰り返して大きくなりますから、この様に小さな容器で飼い続けることはできません。
Q. 飼育ケースに敷く砂は珊瑚砂でなければダメですか?
植栽用の肥料や建築資材等の有害成分が含まれていなければ、どんな砂でもかまいません。砂の大きさもゴマ粒より小さければ安心なので選択肢は多いです。
但し、最低15センチ以上の厚さに砂を敷き、それを頻繁に取り出して洗うわけですから、軽くて扱いやすい珊瑚砂はお薦めです。また取り出して洗ったものは乾さなければいけませんから、あまり細かすぎる砂だと風に飛ばされて減っていってしまいます。
また木材のチップや腐葉土などは、雑菌が繁殖しやすいので避けた方が賢明でしょう。
Q. 水道水でOK?
その水道水を何に使うのかが不明ですが、飲み水・水浴び用の水・砂に湿り気を与えるための水・海水補給用に人工海水を溶くための水という“オカヤドカリ飼育に欠かせない水”については水道水はそのまま使わないでください。
Q. プラスチックのヤシの木はどこで売っていますか?
1970年代後半〜80年代頃、自分の車に「土足厳禁」のシールを貼っていた人に聞いてみてください。しかし今でも売っているのでしょうか?
Q. オカヤドカリがいつも物陰に隠れていて、出て来てくれません。
全く心配ありません。それが普通の状態です。
逆に、 隠れずにいつも出て来ているようだと非常に問題です。流木など隠れ家になるものが少なすぎるとオカヤドカリには大きなストレスになります。
Q. オカヤドカリが砂に潜ったまま、出て来てくれません。
温度・湿度が適切なら脱皮中です。自分から出てくるまで、絶対に砂を掘り返さないでください。
冬場だと寒いからということも考えられます。飼育ケース内の温度をチェックしてください。
Q. オカヤドカリが餌を食べません。
オカヤドカリは金魚などに比べるととても少食です。お腹が空いていないのかもしれません。または餌が気に入らないのでしょう。餌の好みは個体によってマチマチですが、色々な餌を与えていれば食べるはずです。
Q. 何をやっても全く食べません。
飼育ケース内の海水に浸かったり、それを飲んだり、砂をあちこち掘り返している場合は脱皮の前兆です。心配いりません。
海水にも近付かず、砂も掘り返さず、その上で何も食べないのなら、脱皮失敗の前兆です。残念ですが、手遅れです。
Q. オカヤドカリを手に乗せていて挟まれてしまいました。どうしましょう?
困りましたね。オカヤドカリは多大なストレスを受けたでしょうから、手の平に乗せて玩ぶようなことは以後慎んでください。
Q. 今も指を挟んだまま放してくれません。
これ以上ストレスを与えないように、自然にオカヤドカリが放すまでじっと我慢していてください。飼育ケースにオカヤドカリごと手を入れ、部屋を暗くしておくとストレスが軽減されるかもしれません。
Q. 引っ越し用の貝殻に入ってくれません。
オカヤドカリは引っ越しがとても好きな生き物です。大きさや形が適切なら必要以上に貝殻を取り換えるはずです。
但し、オカヤドカリが好む“大きさや形”が、あなたの思っている“大きさや形”と必ずしも一致するとは限りませんので、色々な形や大きさの貝殻を入れてやりましょう。
Q. ヒーターは必要ですか?
オカヤドカリを飼育する場合には、パネル型ヒーター他、飼育ケース全体が温まるタイプの物が冬場には必要になります。その際、容器内の湿度も充分に保つことを忘れないでください。
飼育ケースの一部に温熱機器を入れるようなタイプ、例えばハムスター用シェルターのようなヒーターは、オカヤドカリがずっと暖を取っていれば乾いて死んでしまいますし、暖を取らなければ寒くて死んでしまいますから、必要ありません。
Q. 化石珊瑚を飼育ケース内に入れると良いと聞きましたが?
珊瑚は海の生き物ですが、死ぬと珊瑚石や珊瑚砂になります。それは化石珊瑚とは違うのでしょうか? 古い時代の物でなければダメなのなら、石灰岩は太古の珊瑚礁の跡ですが。
石灰石を入れると良いかどうかは解りません。主成分は炭酸カルシウムです。炭酸カルシウムは普通の水には溶けません。長く入れておけばバクテリアの酸化作用によって少しづつ溶け出す可能性はありますが、オカヤドカリへのカルシウム補給が目的であれば餌やイカの甲などで充分に賄えるはずです。
他の微量元素については、常時海水を与えているのですから、それで賄えているはずです。
Q. 飾り珊瑚を飼育ケース内に入れると良いと聞きましたが?
「隠れ家として」という意味でしょうね。それ以外の効果は期待しないでください。
市販の飾り珊瑚は漂白剤などの薬品が残留している可能性がありますので、できれば入れないか、入れるならばよく水洗いして(煮沸すると更にGood)天日に数日さらした後で使用した方が良いでしょう。
Q. 飾り珊瑚や流木が飼育ケースに入らない。
飼育ケース内に入れるのは、餌入れ(直径5センチ程度)、水入れ(直径10センチ、深さ5センチ程度)、海水浴用容器(長辺15センチ、最深部7センチ程度)ぐらいのものですから、そこに流木や飾り珊瑚が入らないはずはありません。
飼育ケースが小さすぎるか、レイアウトに問題があるのではないでしょうか。
Q. ガジュマルの木はどのように植えれば良いのでしょうか?
ここはオカヤドカリ飼育に関するFAQです。植木に詳しい人に聞いてください。しかし普通は鉢などに植えた状態で市販されているはずですが…。
植木鉢ごとベランダなど日当たりの良いところに出しておいて、冬場は室内に入れてやれば良いのではないでしょうか。
Q. 植えてあるガジュマルの葉っぱをオカヤドカリが食べてしまう。
オカヤドカリの放し飼いは止めてください。
Q. オカヤドカリが逃げた!
飼育ケースから逃げたオカヤドカリは、そのままだと十中八九は死んでしまいますので、部屋の中も外も必死で探してください。部屋の隅や家具と壁の隙間にいる可能性が高いです。
ただ、その前に逃がさないように注意してください。
Q. オカヤドカリ飼育のことをもっと知りたい!
実際にオカヤドカリを飼育している飼育者のサイトが多数あります。当サイト(Decapod Journal)のリンクコーナーからも、優良飼育者のサイトにリンクしていますので、そちらを参照してください。
また、当サイトの小・中学生向けページ「Deca-J for Kids」にも、飼育に関してだけなら、必要最低限の情報を載せていますので、大人の方でもご自由に閲覧ください。
Q. 飼育者のサイトと、オカヤドカリ専門店のサイトで時々違う記述が見られますが?
現在、Web上でオカヤドカリ飼育情報を公開している業者の情報は、全て上述した優良飼育者サイトの盗用または無断流用(または盗用サイトの無断コピー)ですから、記述が違っている場合は業者側の何らかの意図(都合?)が介在しているのだと、私なら考えますが、どうでしょう。
(質の良悪を問わず)業者がストックしている状態と、飼育者が飼育している状態とは、全く別次元の問題であることを念頭に置いた上で、どちらを採用するかは「人それぞれ」自由ですが…。
Q. 業者のサイトでは「オカヤドカリの生態はよく解っていない」と言っています。
それはまた、正直な業者ですね。その通りです。オカヤドカリを飼育する上で必要十分な生態は既に何年も前から“判って”いますが、業者には“解って”いないことが多いようです(理解できないのか、理解したくないのか、解らないふりをしているのかは不明です)。
Q. あるサイトでは「オカヤドカリの生態系は、オカヤドカリを採っている人にも解っていない」と言っています。
生態はともかく、生態系は知らんですよ。私も(^_^;)
オカヤドカリを正規に採っている方は、ものすごく単純な方法で捕獲しています。オカヤドカリのいそうな場所を探して手で捕まえています。この採取方法では、ある程度はオカヤドカリの生態について理解している必要がありますが、非正規の方はトラップを使って採るそうで、その方法なら生態が解っていなくても結構採れるんじゃないですかね?
Q. オカヤドカリの飼い方は、ペットショップの水槽と同じで大丈夫?
ペットショップの水槽は、短期間の陳列のための水槽です。家庭でオカヤドカリを飼育するのとは、全く違います。ショールームではありませんので、参考にはなりません。
Q. オカヤドカリの飼い方は、水族館に行けば判りますか?
水族館にもよるでしょう。中には、客寄せパンダとして酷い扱いをしている水族館もあります。基本的に水族館は「見せる」ことを目的としているところが多いので、ペットショップより酷い場合もあります。
Q. まともなオカヤドカリの飼い方は、何処でみられますか?
“ヤドたん”や“ヤドちゃん”ではなく、オカヤドカリを飼育している飼育者のサイトがあります。当サイトのリンクコーナーからもリンクしています。ただし、飼い方の写真を真似ただけでは不十分ですから、必ずテキストも読みましょう。
現在、十脚目通信で「Deca-J水族館」の設立を目指しています。いろいろな生き物の棲息環境と、それに基づいた「飼育方法の提案」を行っていきたいと考えていますので、水族館開設後に見に来てください。
Q. 繁殖方法を簡単に教えてください。
しばし絶句…。この様に簡単に質問してくる時点で、あなたには無理です。簡単に教えられる様な方法で繁殖はできません。まずは一般常識を再認識してください。
Q. 「自分は良いけど他人はダメ」と言うのがよく解らない。飼育方法なんて、人それぞれだ。ベテランは良くても初心者は試行錯誤しちゃいかんのか!?
えらくお怒りのご様子ですが、冒頭の意味が私にもよく解りません。飼育方法は人それぞれで良いと思っていますよ。錯誤はともかく試行するのも全く問題ありません。
ただ、あくまでもそれは“飼育”する上での話です。
「こうやれば上手く飼えるだろうか?」とか「こうすればオカヤドカリの健康に良いんじゃないか」とか試行するのは良いことですが、「貝殻に色を塗っても害はないだろうか?」とか「接着剤を使っても大丈夫だろうか?」とか「石鹸で洗っても良いだろう!」等は、飼育者の立場で出てくるものではありません。消耗品を扱う業者の思考法ですね。
Q. 何年も飼育されてる方でも解からない事だらけなんですよね?
何年も販売している方には解らない事だらけかもしれませんが、常識というレベルで判っている、そしてネアンデルタール人以上の知能があれば、解るはずのことは多いのですが…。
それについては別途まとめていますので、こちらをご覧ください。
Q. オオナキオカヤドカリは希少種なので販売できないと聞いたのですが?
日本産のオカヤドカリ科7種のうち、ヤシガニとサキシマオカヤドカリは環境省レッドリスト絶滅危惧II類(VU)に、コムラサキオカヤドカリオオナキオカヤドカリは準絶滅危惧(NT)に、リストアップされていますから、確かに希少種です。
ですが、オカヤドカリの採集に関しての規制は文化庁の“文化財保護法”によるものなので、希少種だから採集できないとか(採集されたものを)販売できないといった規制はありません。
個人的には、絶滅が危惧されている生き物を、それと判って採集あるいは販売するというのは非常に悪質だとは思いますが、残念ながら罰則規定がありません。また販売側も罰則規定がないことを知った上で行っているようです。

この項目の関連情報については「レッドリスト見直しに関するDeca-Jの見解」と「販売できる天然記念物を巡る大誤解」も、ご覧ください。

Q. 希少性を売りにしているような業者もありますが、それでも無罪?
その業者は既に色々な関係筋から注目を集めていますね。しかし現行法では全くの無罪です。ただ、希少種については環境省筋でも「種の保存法」絡みで規制をかけようという動きがあり、既に上記4種については知見を集める段階に入っているという噂もあります。法律は既にあり、あとは“特定国内希少野生動植物種”のリストに入れるか入れないかというだけの話ですから、知見が集まってしまうとその後は早いでしょうね。
ちなみに「種の保存法」では、採集はもちろん、輸出入、販売・譲渡し・譲受け・引渡し・引受け・陳列全てに厳罰が課されます。
Q. 希少価値があるので、今のうちに買っておけば儲かる?
あの…。武士の情け(?)でお答えしますが、国内では近々(生体だけではなく剥製であっても)販売・譲渡し・引渡し・陳列ができなくなる上、繁殖もほとんど不可能。海外では全く希少価値もなく輸出も禁じられているもので、どのように儲けるのか、こちらが教えて欲しいぐらいです。
Q. この様なことが繰り返されれば、他のオカヤドカリも規制が厳しくなるのでは?
全くおっしゃる通りです。
そもそも分布域や棲息環境の違いで、捕獲が許可されているオカヤドカリに混じる可能性がほとんどない、しかも数的にも希少な種です。それでも今は「混じる」と言い逃れることはできるでしょうが、リストに載った場合「じゃ混じらない様に気を付けてね」という規制がされる例はありません。「危険性のある場合は全て禁止」というのが通例です。
そうなる前に関係各位には自主規制してほしいところなのですが、件の業者は誰の忠告も受け付けないそうです。既に次の商材を探しながら「売れるうちに売り抜けよう」とでも思っているのでしょう。
Q. それでも、個人の趣味として希少種を飼うのは自由だ!
まあ、止めはしません。ご自由にどうぞ。しかし一般に飼育方法が確立(業者の出してるガセネタのことではないですよ)されているムラサキオカヤドカリやナキオカヤドカリとは、棲息環境も違い、文字通り「生態についてはよく判っていません」から、試行錯誤するには大金が必要ですよ。
Q. レアなオカヤドカリを他人に自慢したい!
一部の業者が「珍しい」とか「レア」とか「稀少」等と称して射幸心を煽る様なことをやっていますが、ムラサキオカヤドカリを除き、世界的に稀少なオカヤドカリは我国には棲息していません(尚、念のため。オカヤドカリ属の全ての種は「植物防疫法」で輸入が禁止されています)。
ムラサキオカヤドカリに関して言えば、我国の固有種とされていますが、今のところは絶滅が危惧されるほど個体数が激減している訳でもありません。
「珍しいオカヤドカリを落札した」と言ったら、普通は笑い者になるだけですよ。
Q. 地元の採取業者さんが選んだ珍しいヤドカリとか言って売ってる所がありますが?
何だか妙なところで権威付けしようとするお店ですね。「オカヤドカリ研究の第一人者が選んだ」とか言ってればマダシモ(^_^;)
しかし、本音で言えばこれは笑い事ではありません。本気で採り子さんが“レアモノ”採集を始めたら(今はウヨウヨいる種まで)絶滅への道まっしぐらです。恐いですね。
そうならない様に、我々消費者(飼育者)の方で騙されない様にしましょう。
Q. 同じ販売業者が「超希少種オオナキオカヤドカリ」を売ってます!
さすがの文化庁もオオナキに関しては目を光らせていますので、採取ルート、販売ルートでは「超稀少」には違いありませんね。でもこの種は世界的にも我国でも特にレアでも何でもありません。ムラサキオカヤドカリやナキオカヤドカリとは棲息環境が違うだけですので。
それと、このオオナキオカヤドカリの特徴は「特に可愛くない」ことですけどね(-_-;)
Q. 糞回答ありがとう。何様ですか?
なるほど。良い質問ですが、返信先メールアドレスに回答を送っても届きません。記入ミスはありませんか?
ところで内緒ですが、こちらは「詐欺紛いネット通販」とも「ネットで小遣い稼ぎとやら」とも無関係の何様個人が自主制作し、自費運営している飼育コンテンツです。見せ掛けだけ丁寧に見え見えの嘘を書く必要がありませんので、悪しからず御了承ください。
Yフー!も商用コンテンツだと勘違いしててディレクトリ登録してくれないし、妙なSEO屋さんとか「貴サイトのアクセスアップを」などと、間違ってガンガン営業掛けてくるぐらいなので、無理も無いのですが(T-T)
ところで、また何かキャンペーンでも開始予定っすか?(いえ、返答不要です)

その他の一般常識については「オカヤドカリ飼育に関し、判明している事実」を、ネット上に飼育情報が氾濫していて迷っている方は「オカヤドカリのトンデモ飼育法」と「オカヤドカリの生態について」を、ご参照ください。

ヤドカリ・オカヤドカリに関する蘊蓄はDecapediaをご覧ください。

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