ヤドカリ/ツマキヨコバサミ のバックアップ差分(No.1)
- 追加された行はこの色です。
- 削除された行はこの色です。
&size(12){&color(#666666){&topicpath;};};
* ツマキヨコバサミ('''Clibanarius englaucus''') [#u1f61f3e]
#ref(englaucus.jpg,around,50%);
南方起源((暖海起源とも言う=暖海性のヤドカリの祖先から分化した種。南方起源と北方起源は、それぞれ別の祖先から収斂進化し、似た形質を持ったとする説もある。))のヤドカリで鉗脚は左右同大。
珊瑚礁潮間帯で普通に見られる種で、沖縄辺りでは浅瀬の珊瑚礁でごく普通に見られる。筆者は南紀でも確認済み。また、アンダマン海(プーケット)と北西太平洋(グアム)で確認したので、インド-西太平洋に広く分布するヤドカリと思われる。
体色は黒~褐色と地味だが、オレンジ色の眼柄や第二触覚が目立つ美しいヤドカリで、和名の通り歩脚の指節基部(爪先の様に見える部分)がオレンジ色で目立つ。第二歩脚の前節基部(膝の様に見える部分)にもオレンジの斑が入り、同属の[[マダラヨコバサミ>ヤドカリ/マダラヨコバサミ('''C. humilis''')]]と見分けが付きにくい。[[マダラヨコバサミ>ヤドカリ/マダラヨコバサミ]]の方は第一歩脚の前節基部にもオレンジの斑が入り、また本種よりもその面積が広いことで見分けが付くだろう。
また、本種が本州南部でもよく見られるのに対し、[[マダラヨコバサミ>ヤドカリ/マダラヨコバサミ]]が南紀等で見られることは少ない。
ペットショップ等では本種と[[マダラヨコバサミ>ヤドカリ/マダラヨコバサミ]]は一緒くたにされて、[[マダラヨコバサミ>ヤドカリ/マダラヨコバサミ]]というインボイスで売られていることが多い。
この手のヤドカリは、観察も採取も容易ではない。水面上から見ているだけでは身体が見えない上、手にとってもなかなか貝殻から出て来てくれない。
ただし本種の場合は眼柄が目立つので、発見したら周囲を入念に探すと良い。固まって棲息していることが多いので次々と見付かる可能性がある。
一般に海棲ヤドカリの飼育は容易で、海水魚が長期飼育できる程度の環境さえ整っていれば2、3年は維持できる。本種の場合は[[ホンヤドカリ>ヤドカリ/ホンヤドカリ]]や[[イソヨコバサミ>ヤドカリ/イソヨコバサミ]]と比べ、水質悪化にどの程度敏感なのかは不明だが、魚等の鈍感な生き物に比べると水質悪化や水質の急変には弱いはずだ。
[[ホンヤドカリ>ヤドカリ/ホンヤドカリ]]等に比べると植食性がやや強いのか、ライブロックに生える石灰藻などを摘んでいるが、水槽面に生える藻(通称コケ)を食べることはあまりない。
藻が生えるような水槽環境では、その環境を改善しない限り、本種や他の植食性の強いヤドカリを水槽に導入しても、目立って藻が減ることはない。
&color(#FF9900){&size(12){節足動物門 > 甲殻亜門 > 軟甲綱(エビ綱)> 真軟甲亜綱 > ホンエビ上目 > 十脚目(エビ目)> 抱卵亜目(エビ亜目)> 異尾下目 > ヤドカリ上科 > ヤドカリ科 > ヨコバサミ属};};
&br;
----
***関連記事 [#cec6320a]
ヤドカリ/イモガイヨコバサミ
ヤドカリ/イソヨコバサミ
ヤドカリ/サンゴヨコバサミ