ヤドカリ/ケブカヒメヨコバサミ のバックアップソース(No.1)

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* ケブカヒメヨコバサミ('''Paguristes ortmanni''') [#t7519dcf]

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浅海(せんかい=水深数m~200mぐらいまでの大陸棚)に棲むものの多いヒメヨコバサミ属の中で、本種とブチヒメヨコバサミは潮下帯下部辺りにまで進出する。とは言え、磯で普通に見られる[[ホンヤドカリ>ヤドカリ/ホンヤドカリ]]や[[イソヨコバサミ>ヤドカリ/イソヨコバサミ]]の様に高潮帯付近まで進出することはなく、大潮の時期、それも春~初夏にかけての大幅に潮位が下がる時期でなければ、タイドプールで見られることはない。
また、本種は海藻が生い茂る様な場所の岩や石の陰に、ひっそりと隠れている、おとなしいヤドカリなので発見にはコツがいる。
この様に、磯遊びの際に簡単に見られる訳ではないが、潜って水面下を探すと、割と簡単に発見することができるだろう。特に潮の干満差の少ない日本海側の海岸で、波の穏やかな夏場などにシュノーケリングをしていると、岩肌にくっついている本種に頻繁に出会うことができる。
サザエの棲む環境と同様に考えれば良いかもしれない。実際、サザエを探して潜っていると本種をよく発見する。

眼柄の縦縞と赤褐色の脚部(写真は未成熟の個体なので赤白の縞模様)に、密生した毛が生える特徴的なヤドカリ。飼育は簡単な部類に入り、なんでもよく食べる。自然下ではひっそりと暮らしているものの、飼育下では意外と活動的で、特に上下への動きが多いヤドカリなのでライブロックを立体的に組んだ水槽で飼うのが良いだろう。
また、意外に活発とは言え、[[ホンヤドカリ>ヤドカリ/ホンヤドカリ]]や[[イソヨコバサミ>ヤドカリ/イソヨコバサミ]]ほどの俊敏性は発揮しないので、匹数を抑えて本種まで餌が回る様に気をつけなければ、いつの間にか姿を消す。

同様の環境でよく見られる[[ヤマトホンヤドカリ>ヤドカリ/ヤマトホンヤドカリ]]の様に、高水温に特に弱いということはない。


&color(#FF9900){&size(12){節足動物門 > 甲殻亜門 > 軟甲綱(エビ綱)> 真軟甲亜綱 > ホンエビ上目 > 十脚目(エビ目)> 抱卵亜目(エビ亜目)> 異尾下目 > ヤドカリ上科 > ヤドカリ科 > ヒメヨコバサミ属};};
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