ヤドカリ/クロシマホンヤドカリ のバックアップの現在との差分(No.4)


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* クロシマホンヤドカリ('''Pagurus nigrivittatus''') [#hf8a4d6f]

#ref(nigrivittatus.jpg,around,50%);
典型的な北方起源((寒海起源とも言う=寒海性のヤドカリの祖先から分化した種。北方起源と南方起源は、それぞれ別の祖先から収斂進化し、似た形質を持ったとする説もある。))のヤドカリで右鉗脚が大きい。
房総半島以南の太平洋側の低潮帯辺りで見られる。[[ケアシホンヤドカリ>ヤドカリ/ケアシホンヤドカリ]]よりも更に沖合い(深場)の、波がマトモに洗う様な場所に棲息するため、大潮の干潮時間帯のタイドプールでなければ見付けるのは難しい。
一見すると[[ユビナガホンヤドカリ>ヤドカリ/ユビナガホンヤドカリ]]に姿が似ているが、本種の縞は横縞ではなく縦縞で、関節部のみ縞が消失して白い地肌を見せている。

かつては、アカシマホンヤドカリ('''Pagurus pilosipes''')の弱齢体と考えられていたこともある。本種の幼体には縞が褐色の個体があり、アカシマホンヤドカリの幼体によく似ているためで、縞が黒い個体も成長に伴い赤い縞になると考えられていた。
2003年、千葉県立中央博物館の駒井 智幸氏により、それまでアカシマホンヤドカリとされていたものが、オキナワアカシマホンヤドカリ('''Pagurus pilosipes''')とされ、アカシマホンヤドカリ('''Pagurus erythrogrammus''')と本種クロシマホンヤドカリ('''Pagurus nigrivittatus''')が新種記載された。
筆者は直接関与しなかったが、ヤドカリ研究所(2006年に閉鎖)他で、リアルタイムでこの辺りのやり取りを拝見していたため、このヤドカリは筆者にとっては特別に思い入れのある種だ。
尚、この辺りの経緯については、[[ヤドカリパーク:http://www.1023world.net/ypark/]]((自称オカヤドカリ専門店とは何の関係もない本家ヤドカリパークの方である。))に詳しい。

一般に海棲ヤドカリの飼育は容易で、海水魚が長期飼育できる程度の環境さえ整っていれば2、3年は維持できる。本種も同様で強健な種類だが、魚等の鈍感な生き物に比べると水質悪化や水質の急変に弱い。またオカヤドカリ等に比べると非常に大食漢であるため、魚の残餌だけを与えていたのではすぐに姿を消す。水槽中に生える藻(通称コケ)は、本種に限ってはよく食べると言われている。

&color(#FF9900){&size(12){節足動物門 > 甲殻亜門 > 軟甲綱(エビ綱)> 真軟甲亜綱 > ホンエビ上目 > 十脚目(エビ目)> 抱卵亜目(エビ亜目)> 異尾下目 > ホンヤドカリ上科 > ホンヤドカリ科 > ホンヤドカリ属};};
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