ヤドカリ/イモガイヨコバサミ のバックアップ差分(No.5)


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* イモガイヨコバサミ('''Clibanarius eurysternus''') [#h068a022]

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南方起源のヤドカリで鉗脚は左右同大。
南方起源((暖海起源とも言う=暖海性のヤドカリの祖先から分化した種。南方起源と北方起源は、それぞれ別の祖先から収斂進化し、似た形質を持ったとする説もある。))のヤドカリで鉗脚は左右同大。
珊瑚礁潮間帯で普通に見られる種だが、南紀ではそれほど多くはない様だ。もっとも写真を見て判る様に、目立つ体色ではなく、また宿貝の殻口を巻くように素早く出入りするため、気を付けていないと見付けることはできないので、本当のところは判らない。
体色は地味だが、よく見ると綺麗。イモガイやマガキガイを宿貝とするため身体が紙の様に薄べったく、アイロンをあてたばかりのストライプのシャツを連想させる。
紀伊半島以南。インド−西太平洋に広く分布。

この手のヤドカリは、観察も採取も容易ではない。水面上から見ているだけでは身体が見えない上、手にとってもなかなか貝殻から出て来てくれない。
南紀の場合、[[ホンヤドカリ>ヤドカリ/ホンヤドカリ]]や[[イソヨコバサミ>ヤドカリ/イソヨコバサミ]]が群棲する中に、ポツンといることが多いので、マガキガイやイモガイ系の貝を見付けたら、透明の容器に入れ、横から眺めながらジッと出てくるのを待つという方法が有効。大抵の場合、マガキガイが顔を出すことが多いが、それも楽しむと良いだろう。

一般に海棲ヤドカリの飼育は容易で、海水魚が長期飼育できる程度の環境さえ整っていれば2、3年は維持できる。本種の場合は[[ホンヤドカリ>ヤドカリ/ホンヤドカリ]]や[[イソヨコバサミ>ヤドカリ/イソヨコバサミ]]と比べ、水質悪化にどの程度敏感なのかは不明だが、魚等の鈍感な生き物に比べると水質悪化や水質の急変には弱いはずだ。
隠れる習性は上記2種に比べても非常に強く、水槽に入れたら最後、二度とお目にかかることもないと思われるが・・・。

&color(#FF9900){&size(12){節足動物門 > 甲殻亜門 > 軟甲綱(エビ鋼)> 真軟甲亜綱 > ホンエビ上目 > 十脚目(エビ目)> 抱卵亜目(エビ亜目)> 異尾下目 > ヤドカリ上科 > ヤドカリ科 > ヨコバサミ属};};
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