カニ/イボイワオウギガニ のバックアップ(No.2)


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[編集]イボイワオウギガニ(Eriphia smithii

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相模湾以南の岩礁性の磯で普通に見られる、赤い眼と逞しい鉗脚が特徴のカニ。よく似たイワオウギガニ?は奄美以南が分布域のため、本州の磯で見られるのは本種。見分け方は、鉗脚の指節が本種では赤、または茶色で、イワオウギガニでは白い。また、イワオウギガニは全体的にツルツルしているが本種は前甲や鉗脚がイボ状の突起で覆われる。

岩礁の磯で見られるカニの中では一際大きく力強い。磯のカニの最終形態ともいうべき姿。見た目通り鉗脚の力は強力で、決して素手で触ってはいけない。肉食性が強く、この強力な鉗脚で巻貝やヤドカリ等を殻ごと砕いて食べている。
強いカニなので磯では繁栄していそうなものだが、縄張り意識が強く、また仲間同士で争うと相手を殺してしまうためか、オウギガニイソクズガニケブカガニの様に、一つの潮溜まりにゴロゴロいるということはない。
とはいえ、中潮帯から潮上帯にかけて、ごく浅い海域の岩の上を歩き回っているカニなので、大潮の干潮時でなくとも磯を歩き回っていると必ず目にするカニではある。

警戒心が非常に強く、棲家とする岩の隙間からあまり離れないため、近づいて撮影するのはかなり難しい。素早く岩の隙間に潜る上、一度隠れてしまうと、数十分は出てこない。
筆者は数年かけて何度も磯に通い本種の撮影を試み、ようやく成功した。大抵は同じ場所にいるので、望遠レンズがあればここまで苦労することもないのだろうが、撮影機材はスマホしか持っていない筆者には難易度の高い被写体だった。

海水魚が長期飼育可能なマリンアクアリウムであれば飼育は容易と思われるが、ライブロックのレイアウトはズタズタにされるだろう。苔取り貝や磯のヤドカリ等はすぐに餌になってしまう。同種同士は必ず殺し合う。また飼育者も指を挟まれると大怪我は必至なので飼育はお薦めしない。

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