カエル/ヤマアカガエル のバックアップ差分(No.2)


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*ヤマアカガエル('''Rana ornativentris''') [#ldea4a9d]
#ref(ornativentris.jpg,around,40%);
関東平野と仙台平野を除く本州、四国、九州の山間部に棲息。同地域の平地から低山地にかけては近縁のニホンアカガエル('''Rana japonica''')が、北海道にはエゾアカガエル('''Rana pirica''')が、沖縄にはリュウキュウアカガエル('''Rana ulma''')が棲息。
#ref(ornativentris.jpg,around,60%);
本州、四国、九州の山間部に棲息。体色は地味で、概ねは目立たない灰色か褐色だが、時にオレンジ色が強く出る美しい個体もいる。後肢に横縞が入る。
同地域の平地から低山地にかけては近縁のニホンアカガエル('''Rana japonica''')が、北海道にはエゾアカガエル('''Rana pirica''')が、沖縄にはリュウキュウアカガエル('''Rana ulma''')が棲息。
対馬にはツシマアカガエル('''Rana tsushimensis''')と、かつてはツシマヤマアカガエルとされていたチョウセンヤマアカガエル('''Rana dybowskii''')がいる。

我国のアカガエルを代表するニホンアカガエルは平地部の沼池や湿田周辺を住処とするため、圃場整備や宅地開発と共に姿を消しつつあるが、本種は山間部を住処とするため、まだ細々と命脈を保っている様で、里山の棚田や湿地、郊外の野外活動施設のちょっとした水たまり等でも普通に見られる。

本種、ニホンアカガエル、タゴガエル('''Rana tagoi''')の3種はよく似ていて、時に棲息地域が重なるためややこしい。
背側線(鼻先からお尻辺りにかけて通る2本の線)が真っ直ぐなのがニホンアカガエルで、本種は目の後ろで外側に一度、膨らむので見分けやすいのだが、本種とタゴガエルは背側線では見分けがつかない上、生息域も同じ様な環境なので更にややこしい。
裏返して腹側を見ると、本種の腹は白黒の斑模様、タゴガエルの腹は口から喉にかけて小さい黒い斑点が散在する程度なので、ようやく見分けがつく。ちなみにニホンアカガエルの腹は白一色である。
背側線(鼻先からお尻辺りにかけて通る2本の線)が真っ直ぐなのがニホンアカガエルで、本種は眼の後ろで大きく外側に膨らんでから内側に切れ込むため、見分けやすいのだが、本種とタゴガエルは背側線では見分けがつかない上、生息域も同じ様な環境なので更にややこしい。
裏返して腹側を見ると、本種は下顎から喉にかけて大きな黒いの斑点があるのに対し、タゴガエルは下顎から喉にかけて小さい黒い斑点が散在する程度なので、ようやく見分けがつく。ちなみにニホンアカガエルの腹は白一色である。

冬季、本種は土の中ではなく水底の泥や堆積した落ち葉の中で冬眠する。繁殖期は1~4月ぐらいまで。2月頃が最盛期で、一度冬眠から目覚めて繁殖活動を行ったあと、再度冬眠する。
4月頃に孵化したオタマジャクシは6月頃に小さなヤマアカガエルとなって上陸し、2年程度で繁殖可能な成体となる。
冬季、本種は土中ではなく水中で、泥や堆積した落ち葉の中で冬眠する。繁殖期は1~4月ぐらいまで。2月頃が最盛期で、一度冬眠から目覚めて繁殖活動を行ったあと、再度冬眠する。
3~4月頃に孵化したオタマジャクシは6月頃には小さなヤマアカガエルとなって上陸し、2年程度で繁殖可能な成体となる。

前述した様に、ニホンアカガエルとは違い、本種は山間部を生息域とするため、いまのところは絶滅の危機から遠いものの、最近では山間部まで本種の天敵となるアメリカザリガニやショクヨウガエル(ウシガエル)の侵入が見られるため、近い将来、絶滅する地域が増大するだろう。
前述した様に、ニホンアカガエルとは違い、本種はいまのところは絶滅の危機から遠いものの、最近では山間部にまで本種の天敵となるアメリカザリガニやショクヨウガエル(ウシガエル)の侵入が見られるため、近い将来、絶滅する地域が増大するだろう。
外来種、移入種の誤放流や放逐は厳に慎んでほしいものである。


&color(#FF9900){&size(12){脊索動物門 > 脊椎動物亜門 > 両生綱 > 無尾目(カエル目)> カエル亜目 > アカガエル科 > アカガエル亜科 > アカガエル属};};


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***参考情報 [#n46d0dec]
#ref(ornativentris2.jpg,around,40%);
本種の産卵は、厳冬期の夜に雪解け水の溜まった田圃やその周辺の水たまりで行われることが多い。その場合、産卵から孵化までの期間が長いため、孵化前に水が干上がってしまったり、時には凍結して全滅してしまうこともある。そのリスクを犯してまで冬に産卵するのは、天敵から自分たちや子孫を守れる可能性が高いためだろう。そして、その生き残り戦略は現在のところまでは成功している。

写真は3月中旬に里山の浅い沼地で撮影したもの。
卵塊の中では既におたまじゃくしになりかかってるものがおり、一部は外に泳ぎだしているものも見られた。
この季節では、他の生き物の活性はまだまだ鈍く、(人間を除けば)卵やおたまじゃくしを根こそぎ採ってしまう天敵はいない。

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