カエル/トノサマガエル のバックアップ差分(No.2)
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*シュレーゲルアオガエル('''Rhacophorus schlegelii''') [#f011ae85]
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本州・四国・九州に分布。島嶼では五島列島での分布が確認されるが、奄美大島では代置種(とされる)のアマミアオガエル('''Rhacophorus viridis amamiensis''')が棲息。沖縄等にはシュレーゲルアオガエルの近縁種であり、アマミアオガエルの基亜種であるオキナワアオガエル('''Rhacophorus viridis viridis''')が棲息する。
*トノサマガエル('''Rana nigromaculata''') [#f011ae85]
#ref(nigromaculata.jpg,around,40%);
関東平野と仙台平野を除く本州、四国、九州に分布。北海道の一部にも人為的に移入された本種が棲息。
関東でトノサマガエルと呼ばれるものは、トウキョウダルマガエル('''Rana porosa porosa''')である。
和名の由来はこのカエルを新種としたライデン博物館長のヘルマン・シュレーゲルに因むが、筆者の個人的な(偏狭な?)意見としては、我国を代表するアオガエルであるだけに、ニホンアオガエルとして欲しかった。
これについてその筋に軽いノリで質問したことがあるが、種名・学名については国の威信や国民の感情は混乱を与えるだけなので、発見や研究の経緯による名称が良いのだそうで(^_^;)
池や沼、河川。またかなりの高地にも棲息する適応力の強いカエルで、手足も長く跳躍力にも優れるために街中のコンクリート溝の田圃でも見られる。我国では大型と呼べるカエル。ショクヨウガエル(ウシガエル)の棲息する場所では数を減らしているが、それ以外の場所では最も繁栄しているカエルだろう。
普段は田圃や池沼周辺の森や林の樹上で生活する。従って里山の様な昔ながらの田園風景が広がる場所では多数棲息するが、街中の田圃では姿を見ない。地域によるが春〜初夏が繁殖期で、乾田であれば水入れの少し前ぐらいから田圃周りで盛んに鳴き始め、水入れと共に繁殖活動に入る。
繁殖行動は主に畦の土の中や石の隙間等で行われ、また周囲の草と同色のため(筆者が確認したところでは個体によって周囲の色に体色を合わせ変化させるものもいる)盛んに声はしていても、夜でもなければ姿を見ることは難しい。
同所に本種と姿形も大きさもよく似たニホンアマガエル('''Hyla japonica''')が棲息するので、見慣れていなければ見分けるのは難しい。ニホンアマガエルの方が鼻先が短く(顔を縦に押しつぶした様)、鼻先から鼓膜にかけて黒い線が入るのに対し、本種は緑一色なので見分けることができる。
また、一部地域でモリアオガエルと生息域が重なるが、モリアオガエルの方が二周りほど体が大きい。モリアオガエルの幼体と本種の成体では大きさに違いがないので見分けるのが難しい。虹彩の色(シュレーゲルは金色、モリアオはア紅)で見分けるのが一般的だが、個体差があるため決め手とはならない。
本種と分布域の僅かに重なるトウキョウダルマガエルとの見分け方は、背中の斑紋が独立しているかいないかで見分ける(本種は背中の斑紋がつながっている)。またトノサマガエルは婚姻色(黄色または金色)が出るのに対し、トウキョウダルマガエルは繁殖期にも色が変わらない。
ダルマガエル岡山種族('''Rana porosa brevipoda''')との違いは、背中線(本種は明確なライン)で見分けるが、ダルマガエル岡山種族は、既に絶滅の危機に瀕しているため見間違うことは滅多にないだろう。
ダルマガエル名古屋種族との違いは、トウキョウダルマガエル同様に背中の斑紋だが、こちらはかなり見分けづらい。特にトノサマガエルの若い個体とダルマガエル名古屋種族とは、ほとんど見分けがつかない。ダルマガエルの方がやや四肢が短いことで見分けがつくかもしれない。
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***参考情報 [#i14c85a5]
#ref(eggs.jpg,around,25%);
本種の産卵は、夜、土中で行われることが多い。土中に白い泡で包まれた卵を産み、数日でオタマジャクシに孵化した後も泡の中で凄し、雨が降ると田圃等に流れ出していく。
左写真は、産卵から数日経たもので、既に泡の中でオタマジャクシが蠢いているものの雨が降らず、この様な形で残っていた。
モリアオガエルに比べると、かなりリスクの高い繁殖方法の様にも思えるが、本種の方が繁栄しているところを見ると合理的なのかもしれない。少なくとも多くのオタマジャクシが一斉に流れ出す方法は、天敵に対しては有効な対抗手段かも知れない。
#ref(porosa.jpg,around,25%);
写真の個体は、ダルマガエル名古屋種族とトノサマガエルの分布が重なる地域で撮影したもの。背中の斑紋がつながっているのか離れているのか、見分けがつかない。両種の繁殖期ともかぶっているが婚姻色は出ていない。もっとも雌であればどちらも婚姻色は出ないので、決め手にならない。
以前はトノサマガエルとダルマガエルは明確に棲み分け、繁殖期も微妙にずれていたそうだが、現代の(カエルの)住宅事情や水田事情により、生息域も繁殖期も重なることが多く、雑種化が進んでいる地域もあるらしい。
この個体もひょっとすると、そうした雑種の一個体である可能性もある。
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***関連リンク [#oc075c3b]
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