カエル/アジアミドリガエル のバックアップの現在との差分(No.1)
- 追加された行はこの色です。
- 削除された行はこの色です。
&size(12){&color(#666666){&topicpath;};};
*シュレーゲルアオガエル('''Rhacophorus schlegelii''') [#o4b7c552]
#ref(schlegelii.jpg,around,40%);
本州・四国・九州に分布。島嶼では五島列島での分布が確認されるが、奄美大島では代置種(とされる)のアマミアオガエル('''Rhacophorus viridis amamiensis''')が棲息。沖縄等にはシュレーゲルアオガエルの近縁種であり、アマミアオガエルの基亜種であるオキナワアオガエル('''Rhacophorus viridis viridis''')が棲息する。
*アジアミドリガエル('''Rana erythraea''') [#u3a9b701]
#ref(erythraea.jpg,around,nolink,100%);
東南アジアに広く分布するアカガエル科のカエル。形態的特徴から見て我国の[[トノサマガエル>カエル/トノサマガエル]]に近い種類と思われる。肢が長く跳躍力に優れる。
森林、田圃、宅地等、生息域も広く、熱帯農耕地域に最も適応したカエルと言えそうだが、このカエルが数年後には絶滅の危機に瀕する可能性がある。もちろん地球温暖化やオゾンホールの影響もあるだろうが、それより甚だしいのが我国のペット業界の、一部の無責任な業者による影響。
カエルツボカビ症が我国で初めて確認されて以来、関係者各位がその及ぼす影響を考慮し、迅速に(飼育者レベルで充分に実行可能な)対応策をまとめ、また天然下では不治の病であっても飼育下では(これも飼育者レベルで充分に可能)容易に治療できることを盛んに情報頒布しているにも関わらず、マスコミの取り上げ方はゴシップ以下。ショップ等でも何ら対応策が取られているとは思えない劣悪な状況で、多くの外産カエルが店頭に晒されている。
特に一部のオークション業者の扱いは酷く、外道どもには世界の生態系の保存よりも、自らの目先の小銭や仁義に悖るバズマーケティングにしか興味はない様だ。
カエルツボカビ症と知って、あるいはその疑いの在る個体を、ややこしいからといって野外に放逐していると思える情報もある。
今までにこうしたことを繰り返し、全種が輸入禁止になった生き物が複数あるにも関わらず、一向に学ぼうとしない業界、及び消費者に呆れ果てる。またごく一部の悪弊(例えばオークション等は一見して悪質な業者と無責任な消費者が判断できるにもかかわらず)には何の手当ても行わず、一悪全罰の様な対応しかできない行政にも呆れる他ない。
和名の由来はこのカエルを新種としたライデン博物館長のヘルマン・シュレーゲルに因むが、筆者の個人的な(偏狭な?)意見としては、我国を代表するアオガエルであるだけに、ニホンアオガエルとして欲しかった。
これについてその筋に軽いノリで質問したことがあるが、種名・学名については国の威信や国民の感情は混乱を与えるだけなので、発見や研究の経緯による名称が良いのだそうで(^_^;)
普段は田圃や池沼周辺の森や林の樹上で生活する。従って里山の様な昔ながらの田園風景が広がる場所では多数棲息するが、街中の田圃では姿を見ない。地域によるが春〜初夏が繁殖期で、乾田であれば水入れの少し前ぐらいから田圃周りで盛んに鳴き始め、水入れと共に繁殖活動に入る。
繁殖行動は主に畦の土の中や石の隙間等で行われ、また周囲の草と同色のため(筆者が確認したところでは個体によって周囲の色に体色を合わせ変化させるものもいる)盛んに声はしていても、夜でもなければ姿を見ることは難しい。
同所に本種と姿形も大きさもよく似たニホンアマガエル('''Hyla japonica''')が棲息するので、見慣れていなければ見分けるのは難しい。ニホンアマガエルの方が鼻先が短く(顔を縦に押しつぶした様)、鼻先から鼓膜にかけて黒い線が入るのに対し、本種は緑一色なので見分けることができる。
また、一部地域でモリアオガエルと生息域が重なるが、モリアオガエルの方が二周りほど体が大きい。モリアオガエルの幼体と本種の成体では大きさに違いがないので見分けるのが難しい。虹彩の色(シュレーゲルは金色、モリアオはア紅)で見分けるのが一般的だが、個体差があるため決め手とはならない。
----
***参考情報 [#a806f195]
#ref(eggs.jpg,around,25%);
本種の産卵は、夜、土中で行われることが多い。土中に白い泡で包まれた卵を産み、数日でオタマジャクシに孵化した後も泡の中で凄し、雨が降ると田圃等に流れ出していく。
左写真は、産卵から数日経たもので、既に泡の中でオタマジャクシが蠢いているものの雨が降らず、この様な形で残っていた。
モリアオガエルに比べると、かなりリスクの高い繁殖方法の様にも思えるが、本種の方が繁栄しているところを見ると合理的なのかもしれない。少なくとも多くのオタマジャクシが一斉に流れ出す方法は、天敵に対しては有効な対抗手段かも知れない。
#clear();
----
***関連リンク [#u34cffae]
カエル/世にも珍しい?
***関連記事 [#oc075c3b]
カエル/トノサマガエル