イモリ/シリケンイモリ のバックアップ(No.2)


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[編集]シリケンイモリ(Cynops ensicauda

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奄美大島を含む琉球列島に棲息*1。写真は通称オキナワシリケンイモリ。方言名は(沖縄では)ソージムヤーと言う。
琉球列島の固有種で、池・沼やその周辺の湿地、田圃等に広く分布。河川の源流部の淵等でも見られる。本土に棲息するニホンイモリに比べると陸地を歩く傾向が強く、そのためDOR*2の割合が高い。
ニホンイモリとの顕著な違いはその長大な全長(特に尻尾の長さ)で、他の種族に比べると体長のある篠山種族と比べても、成体は一周り大きい。写真の個体を掴んだ感じは、小型のウナギを持った様な印象だった。ヌルヌルしてはいないが・・・。
また背部に特徴的な青白色の紋が出ることが多く、ネット市場ではその模様の多寡で値打ちが違うというバカらしい現象も生じている。
ニホンイモリのフェロモン物質は「ソデフリン」と呼ばれるが、シリケンイモリのフェロモン物質は「シリフリン」と言われる。ソデフリンは袖を振る大海人皇子に対してたしなめたとされる額田王(ぬかたのおおきみ)の短歌に由来するが、シリフリンは誰かが尻を振った訳では無く、フェロモン物質のアミノ酸配列の頭がSILであるためとされる。ソデフリンに似たシリケンイモリのフェロモン物質なのでシリフリンという適当な命名ではないはず。
耳腺に猛毒のテトロドトキシンを持つため、生食は危険。火を通して食べる場合も専門の調理師に相談すること*3

脊索動物門 > 脊椎動物亜門 > 両生綱 > 有尾目(サンショウウオ目)> イモリ亜目 > イモリ科 > トウヨウイモリ属
環境省指定: 準絶滅危惧(NT*4


[編集]陸地を歩くシリケンイモリ

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ニホンイモリもたまに陸地を歩いていることがあるが、シリケンイモリはよく普通に陸地を歩いている。年間の寒暖差が少なく産卵期が長い(2〜8月とされる)ためだろうか。


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*1 アマミシリケンイモリとオキナワシリケンイモリを別亜種扱いする場合もある
*2 Dead on the Road=轢死
*3 恐らく存在しない
*4 NT=Near Threatened=存続基盤が脆弱(現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては絶滅危惧に移行する可能性がある)。