ヤドカリ/ホシゾラホンヤドカリ
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[編集]ホシゾラホンヤドカリ(Pagurus maculosus)
典型的な北方起源*1のヤドカリで右鉗脚が大きい。
我国の磯を代表するヤドカリの一つ。中潮帯から低潮帯にかけて普通に見られる。タイドプールでもホンヤドカリやイソヨコバサミに紛れて普通に見られるが、本種の方がやや波の荒い場所を好む様だ。
また本気になった時の本種の動きはヤドカリとは思えないほど異常に素早く、脚の力が他種に比べて強いと思われる。
濃緑色~褐色の体色で地味だが、深紅の第一・第二触覚がよく目立つ。本種は以前はケアシホンヤドカリと同種と考えられていたが、1996年に別種として記載された。
灰緑色の体に黒い点が散在するものがケアシホンヤドカリで、濃緑色~褐色の体に白い点が散在するものが本種であるが、よく見ないと判らない。
ほぼ、同じような見た目のヤドカリで生態も似たようなものだが、一方は星空というロマンチックな和名なのに対し、もう一方は毛足とは・・・。
ケアシホンヤドカリに同情を禁じ得ない。
我国の温帯域の岩礁地帯に広く分布。
一般に海棲ヤドカリの飼育は容易で、海水魚が長期飼育できる程度の環境さえ整っていれば2、3年は維持できる。本種も同様で強健な種類だが、ホンヤドカリに比べるとやや水質悪化に弱い。またオカヤドカリ等に比べると非常に大食漢であるため、魚の残餌だけを与えていたのではすぐに姿を消す。ライブロックに生える石灰藻などを摘んでいるが、水槽面に生える藻(通称コケ)を食べることはない。
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*1 寒海起源とも言う=寒海性のヤドカリの祖先から分化した種。北方起源と南方起源は、それぞれ別の祖先から収斂進化し、似た形質を持ったとする説もある。