ヤドカリ/ツマジロサンゴヤドカリ

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[編集]ツマジロサンゴヤドカリCalcinus latens

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典型的な南方起源*1ヤドカリで左鉗脚が大きい。
珊瑚礁の潮間帯で最も普通に見られる種類のサンゴヤドカリ。潮間帯下部から低潮帯に棲息する種の多い本属の中で、本種は高潮帯辺りにまで進出する。潮上帯で見ることはさすがにない。
紀伊半島以南の珊瑚礁域に広く分布。紀伊半島以北房総半島以南の太平洋岸では無効分散と思われる個体が夏季に採取されることがある。

サンゴヤドカリ属のヤドカリは、どれも美しい種類が多く、本種もよく見ると美しい色彩だが、磯等では目立たずホンヤドカリと間違えやすい。ちょっと鉗脚の白が奇妙だな?と思ってよく見ると本種である場合が多い(ホンヤドカリは右鉗脚が大きく、鋏の先の白の面積も本種より狭い)。
このヤドカリの特徴は、大抵ボロボロの貝殻に入っていること。貝殻の奪い合いでの闘争に強いとされるスベスベサンゴヤドカリと生息域が重なるために獲得した習性だろうか。
歩脚の指節基部が白いことが種名の由来とされる。本種の左大鉗脚は、スベスベサンゴヤドカリと同じく棘は無いが、右鉗脚の掌部上縁にはサンゴヤドカリ属に特徴的な鋸条の棘が見られる。

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*1 暖海起源とも言う=暖海性のヤドカリの祖先から分化した種。南方起源と北方起源は、それぞれ別の祖先から収斂進化し、似た形質を持ったとする説もある。