ヤドカリ/イソヨコバサミ

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[編集]イソヨコバサミ(Clibanarius virescens

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南方起源*1ヤドカリで鉗脚は左右同大。
我国の岩礁潮間帯を代表するヤドカリの一つで、南紀ではホンヤドカリの次によく見られるが、日本海側では少ない。
体色はホンヤドカリ同様に地味だが、鉗脚と歩脚の黄色が非常に目立つ。また第1・第2触覚の青と、第1触覚先端のオレンジがコントラストを為し、よく見ると非常に美しい。眼には星が飛ぶ。
房総半島以南。インド−西太平洋に広く分布。筆者はタイのプーケットで確認した。

一般に海棲ヤドカリの飼育は容易で、海水魚が長期飼育できる程度の環境さえ整っていれば2、3年は維持できる。本種も同様で強健な種類だが、魚等の鈍感な生き物に比べると水質悪化や水質の急変に弱い。またオカヤドカリ等に比べると非常に大食漢であるため、魚の残餌だけを与えていたのではすぐに姿を消す。
ホンヤドカリ等に比べると植食性がやや強い。ライブロックに生える石灰藻などを摘んでいるが、水槽面に生える藻(通称コケ)を食べることはない。

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*1 暖海起源とも言う=暖海性のヤドカリの祖先から分化した種。南方起源と北方起源は、それぞれ別の祖先から収斂進化し、似た形質を持ったとする説もある。