カニ/ショウジンガニ

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[編集]ショウジンガニ(Guinusia dentipes

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西部太平洋に広く分布。日本では東北地方以南で見られる。
岩礁の磯に棲むカニの中では特に大きく、派手な赤い模様と相まって、よく目につくカニ。波がまともに洗う様な岩場に棲み、イワガニと同所的に見られるが、本種が水の届かない岩上に出ることはまずない。
従って、イワガニがウロウロしている岩場の水面下を覗けば、本種を発見することができる。
動きは非常に俊敏で、平べったい体型を利用して、岩の隙間を滑るように行き来する。鉗脚は(体の割には)小さく非力なため、素手で捕まえても大怪我をすることはないが、簡単には捕まらない。

磯のカニの中では特別に美味なカニで、市場に出回ることはまずないが、棲息地周辺では盛んに食用に捕獲されている。カニ釣りの対象としても有名で、特に味噌汁にすると美味いという。
筆者はまだ食したことはないが、磯に行けば必ず目にするカニなので、いつか鍋と味噌を持って釣りに行きたいと考えている。

食性は植食性の強い雑食で、近縁のトゲアシガニの若い個体などが、マリンタンクの苔取りとしてペットショップ等で販売されていることもある。
飼育は本種、トゲアシガニとも難易度が低く、夏場の高水温と魚病薬にさえ気をつければ、海水魚が飼える程度のマリンタンクで維持可能。但し、成長するとかなり大きくなるカニ*1なので、60cm水槽程度では、やがて持て余すことになるだろう。
また、藻(苔)が生えるような水槽環境では、その環境を改善しない限り、本種やトゲアシガニを水槽に導入しても、長期的な解決には繋がらない。

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[編集]参考情報

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写真は甲幅1cm程度のショウジンガニの稚ガニ。6~7月の磯へ行くと、このサイズのショウジンガニがワラワラといるものの、さすがに食べようとは思わない。ところが、これが9月ぐらいには甲幅6cm(脚を入れると20cmぐらいの体幅になる)ほどの食べ頃サイズになる。生き物は成長するということを考えれば、水槽に入れようとは普通は思わないだろう。

サワガニ等の陸封型のものを除き、ほとんどのカニはゾエアという形態で産まれ、メガロパという第二形態を経て稚ガニとなる。ゾエアやメガロパはせいぜい数mm程度(ミジンコ程度)の大きさで、海中を漂うプランクトンとして暮らす。
海水浴などで皮膚の柔らかい部分にチクチクとした痛みが走り赤く腫れることがあり、「チンクイムシに刺された」と言われることがあるが、この“チンクイムシ”の正体がゾエアやメガロパである。

通常、これらは肉眼で細部まで認識することは出来ないのだが、ショウジンガニのメガロパは甲長が1mm近くにまで達する常識外の大きさで有名。チリメンジャコに交じると正にモンスターさながら。
4~5月ぐらいに磯の藻場を網でガサガサすると採取することができるので、興味のある方は観察してみると面白いだろう。


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*1 ショプで売っているトゲアシガニのサイズはサワガニぐらいだが、成長するとモクズガニぐらいの大きさになる。ショウジンガニはそれよりも更に一回り大きい。