カエル/ニホンアマガエル

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[編集]ニホンアマガエル(Hyla japonica

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北海道・本州・四国・九州に分布。島嶼では佐渡、隠岐、壱岐、対馬等での分布が確認される。アマガエル科のカエルは世界中で繁栄しているが、我国には他に南西諸島にハロウェルアマガエル(Hyla hallowellii)が棲息するのみ。
体長3、4センチぐらいの小さなカエル。♂と♀は、ほぼ同大。♀の方がやや大きい様だが雌雄の明確な判別方法はない。但し♀は鳴嚢を持たないので、下アゴをチューインガムの様に膨らませていれば♂だと判る。鳴き声は体の大きさに似合わずうるさく、クワックワッとかなり大きな声を出す。またメーティングコールの他に雨が降る前に鳴き出すシャワーコールを発することでも有名なカエルで、この場合はグワーグワーッと鳥が鳴いてでもいる様にやかましい。
可愛らしいカエルであるが、飼育されることが少ないのは、この鳴き声によるところも大きいのかも知れない。
ちなみに、日本産のカエルの中でシャワーコールを発するのは文字通りアマガエル(雨蛙)だけで、「カエルが鳴くと雨が降る」という俗説は、このカエルの場合においてのみ正しい。
体表に毒を持つと言われるが、これは毒と言うよりは、病害虫などから体を守るための免疫物質(化学物質)であるらしい。従って生食は危険。またこのカエルを触った後、目を擦ると危ない。

日本全国、山の中だろうと街中だろうと近くに水場があれば何処でも見られるカエル。トノサマガエルよりも更に身近なカエルと言えるだろう。普段は田圃や池沼周辺の森や林の樹上で生活する。地域によるが春〜秋までと繁殖期が長く、ちょっとした水溜りの様な場所にも産卵を行う。
周囲の環境によって体色を変えることで有名。ひょっとすると蛙(かえる)の語源はアマガエルから来ているのかもしれない。また青や黄色等の色変個体(色素欠乏個体)が容易に出現することでも有名なカエルでもある。一時、ネットオークション等でこの色変個体が高値で取り引きされたことがあるが、バカらしい限りだ。最もオカヤドカリの様に脱皮や成長に伴い、容易に変色する生き物を色でグレード分けしている業者が存在する様なので、それに比べれば遥かに良心的かもしれない(アマガエルの色変個体はオカヤドカリの“珍しい色とやら”よりも出現頻度は遥かに低く、また一生モノなので)。

街中を別にすれば本種と姿形も大きさもよく似たシュレーゲルアオガエルRhacophorus schlegelii)が、同時期同所に棲息するが、ニホンアマガエルの方が鼻先が短く(顔を縦に押しつぶした様)、鼻先から鼓膜にかけて黒い線が入るので容易に見分けることができる。

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