カエル/トノサマガエル
[編集]トノサマガエル(Pelophylax nigromaculatus)
関東平野と仙台平野を除く本州、四国、九州に分布。北海道の一部にも人為的に移入された本種が棲息。
東京近辺でトノサマガエルと呼ばれるものは、トウキョウダルマガエル(Pelophylax porosus porosus)である。
池や沼、河川。またかなりの高地にも棲息する適応力の強いカエルで、手足も長く跳躍力にも優れるために街中のコンクリート溝の田圃でも見られる。我国では大型と呼べるカエル。ショクヨウガエル(ウシガエル)の棲息する場所では数を減らしているが、それ以外の場所では最も繁栄しているカエルだろう。
本種と分布域の僅かに重なるトウキョウダルマガエルとの見分け方は、背中の斑紋が独立しているかいないかで見分ける(本種は背中の斑紋がつながっている)。またトノサマガエルは婚姻色(黄色または金色)が出るのに対し、トウキョウダルマガエルは繁殖期にも色が変わらない。
ダルマガエル岡山種族(Pelophylax porosus brevipodus)との違いは、背中線(本種は明確なライン)で見分けるが、ダルマガエル岡山種族は、既に絶滅の危機に瀕しているため見間違うことは滅多にないだろう。
ダルマガエル名古屋種族との違いは、トウキョウダルマガエル同様に背中の斑紋だが、こちらはかなり見分けづらい。特にトノサマガエルの若い個体とダルマガエル名古屋種族とは、ほとんど見分けがつかない。ダルマガエルの方がやや四肢が短いことで見分けがつくかもしれない。
脊索動物門 > 脊椎動物亜門 > 両生綱 > 無尾目(カエル目)> カエル亜目 > アカガエル科 > アカガエル亜科 > トノサマガエル属
[編集]参考情報
写真の個体は、ダルマガエル名古屋種族とトノサマガエルの分布が重なる地域で撮影したもの。背中の斑紋がつながっているのか離れているのか、見分けがつかない。両種の繁殖期ともかぶっているが婚姻色は出ていない。もっとも雌であればどちらも婚姻色は出ないので、決め手にならない。
以前はトノサマガエルとダルマガエルは明確に棲み分け、繁殖期も微妙にずれていたそうだが、現代の(カエルの)住宅事情や水田事情により、生息域も繁殖期も重なることが多く、雑種化が進んでいる地域もあるらしい。
この個体もひょっとすると、そうした雑種の一個体である可能性もある。
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