エビ/アシナガモエビモドキ

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[編集]アシナガモエビモドキ( Heptacarpus futilirostris

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ゴロタ石の転がる様な磯のタイドプールで、石をひっくり返すと結構な確率で本種を見ることができるが、概ねは茶褐色の地味な体色で、また、かなり素早く石の裏側に逃げ込むため、発見難易度は高い。
色はバラエティに富み、赤みの強い個体、黄色やオレンジ、全身が緑色の個体なども見られ、下の写真の様に頭部のみ地色で腹部と尾部が鮮やかな緑色になる個体もある。
色の変化は周囲の環境や食べている餌によるものと思われるが詳細は不明。
♂は第3顎脚が大きく発達する。(写真の個体は♀)

本種とよく似たエビに、同属のアシナガモエビがいる。見分け方はアシナガモエビの方が脚が太いこと等*1だが、潜って水面下でじっくり観察でもしなければ、なかなか見分けはつかない。
本種の発見時、大抵は干潮時のタイドプールで水面を通して見ると思われるので、脚が太いか細いかは明確に判断できない。
アマモ場やその近くの磯ならアシナガモエビ、海藻の多い普通の地磯であれば本種という風に判断すると良いだろう。

食性は植食性の強い雑食で、石に着いた藻類を主に食べていると思われる。マリンアクアリウムの苔取りとして有用とされるアシナガモエビ同様に、本種も苔掃除には役立つだろう。
実際、ペットショップで売られている“アシナガモエビ”には、相当数の本種も含まれているのではないだろうか。
但し、藻(苔)が生えるような水槽環境では、その環境を改善しない限り、本種や他の植食性の強いエビを水槽に導入しても、目立って藻が減ることはない。
また、本種は夏場の高水温には弱いため、飼育には注意が必要。

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[編集]参考情報

futilirostris3.jpg

アシナガモエビ、本種ともに色はバラエティに富み、これは遺伝的要因ではなく、周囲の環境や食べる餌によるものだと思われる。ただ、同じ磯の同じ様な環境下でも多様な色をしているので、実際にはよく解らない。
本種の場合、アカモク(茶色っぽい)が繁茂する5月頃にも多様な体色のものが見られ、この写真の様な緑色のものは、かえって目立ってしまっているので、環境に適応した保護色という訳でもなさそうだ。



*1 アシナガモエビの♂では第3顎脚と第2脚(第1歩脚)が大きく長い。